令和はフリーランスの黄金時代|日本における需要とチャンス




日本の労働市場は急速に変化しており、フリーランスの需要が高まる一方です。政府による働き方改革の推進により、多くの企業が柔軟な働き方を模索する中で、
フリーランスの役割がますます重要になっています。これに伴い、専門的なスキルを持つ個人が自分のライフスタイルに合わせて働くことができる環境が整いつつあります。
特にITやデザイン、コンテンツ制作などの分野では需要が高まっており、多くの人々がこの新しい働き方に注目しています。

フリーランスとして働くことは、多くのメリットがある一方で、課題も少なくありません。本記事では、フリーランス市場の現状と未来の需要予測、フリーランスとして成功するための秘訣を詳しく解説します。
これからフリーランスを目指す方や、現在フリーランスとして活動している方へ10年後もよいフリーランスライフを送るための有益な情報を提供したいと思います。


読了目安:10分

Point

✓ IT・テクノロジー・マーケティング分野のフリーランス需要は今後も高い

✓ フリーランスのメリットは“経験”と“高収入”

✓ フリーランス継続のコツは適応力・健康維持・謙虚さの3点

 

目次

    1. 1.フリーランス業界の現状
      1.1 IT・テクノロジー分野の需要
      1.2マーケティング・デザイン・クリエイティブ分野の需要
      1.3 ライティング・コンテンツ制作分野の需要
      1.4 フリーランス関連プラットフォームとエージェントの台頭

    2. 2.フリーランスのシンプルなメリット
      2.1 経験値を積む機会は無限大
      2.2 高収入の可能性

    3. 3.フリーランスの課題
      3.1  収入の波を乗りこなせ!

      3.2 自己管理の達人になるために
      3.3 関係を築く技術を磨け
      3.4 働き方が完全に自由という誤解

    4. 4.フリーランス需要の未来予想
      4.1 働き方改革の影響

      4.2 テクノロジーの進化
      4.3 国際競争力の向上
      4.4 高齢化社会とフリーランスの役割

    5. 5.フリーランスを継続する秘訣
      5.1 市場価値の変化に適応する

      5.2 謙虚さはとても重要
      5.3 健康管理は当たり前

    6. 6.まとめ

    7. 7.参考文献

 

 

1. フリーランス業界の現状


フリーランス職種別

日本のフリーランス市場はここ10年で急速に拡大しています。2020年の内閣府経済社会総合研究所による統計(※1)によると、日本には約462万人のフリーランスが存在しているという調査結果がでています。
また、ランサーズの調査(※2)では「お小遣い程度の報酬を受け取った人~店を構えている自営業者」とフリーランスと名乗れる幅広い層では、1577万人でした。
これは、日本の労働人口(※3)約6,720万人のうち、約23%にあたり、4-5人に1人が何らかのフリーランス活動をしていることです。
中でも特にIT、マーケティング、デザイン、ライティングなどの分野でフリーランスの需要が高まっています。

1.1 IT・テクノロジー分野の需要

IT分野では、システム開発やウェブデザイン、アプリ開発などの専門スキルを持つフリーランスが多く求められています。企業は、プロジェクトごとに必要なスキルを持つフリーランスを雇用することで、コストを抑えながら高品質な成果を得ることができるためです。特に、人工知能やビッグデータ解析、サイバーセキュリティの分野では、高度な専門知識を持つフリーランスの需要が急速に増加しています。これにより、フリーランスとしてのキャリアパスが明確になり、より多くの人々がこの分野に参入することが期待されています。
われわれBTCエージェントでも、ITテクノロジー分野の成長が顕著であり、エンジニアのみならずITコンサルタント・PMOなどのIT職種のニーズが非常に高まっています。

 

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1.2 マーケティング・デザイン・クリエイティブ分野の需要

デジタルマーケター、デザインやクリエイティブ分野でも、フリーランスの需要は非常に高いです。広告プランニングや運用、グラフィックデザイン、UI/UXデザイン、動画編集など、クリエイティブな仕事はプロジェクト単位での契約が一般的であり、フリーランスにとっても働きやすい環境が整っています。特に、デジタルコンテンツの需要が増加する中で、企業はフリーランスのクリエイターを積極的に起用し、斬新で魅力的なコンテンツを提供しようとしています。
近年では、マーケティング・クリエイティブ関連を専業としたフリーランスエージェントも増えています。近年ではマーケティングプロダクトで著名なミエルカやWACULも企業とフリーランスをマッチングするエージェント事業に参入しています。

1.3 ライティング・コンテンツ制作分野の需要

ライティングやコンテンツ制作の分野でもフリーランスの需要は高まっています。SEO対策やマーケティング、ブランディングなど、企業がオンラインでのプレゼンスを強化するためには、質の高いコンテンツが不可欠です。これにより、フリーランスのライターやコンテンツクリエイターが求められ、安定した仕事の依頼が期待できます。ライティングやコンテンツ制作の分野では、期間ではなく成果ベースの案件が多いため、フリーランス関連のプラットフォーム(クラウドワークスやランサーズなど)の利用が一般的になっています。

1.4 フリーランス関連プラットフォームとエージェントの台頭

2000年代前半では、フリーランス関連サービスはニッチなサービスで、そもそも世間の認知がない状況でした。割合では、フリーランスの方は個人のツテを利用し案件を受託するのが通常でした。

しかし現在では、もちろんフリーランスサービス関連の企業努力もありつつも、日本の経済・政治状況や働き改革、テクノロジー進化の後押しもあり、「フリーランスという働き方もありだよね」という認識が一般的になりました。
企業とフリーランスを直で繋ぐプラットフォームでは、クラウドワークス・ランサーズが有名です。
フリーランスエージェントでは、ITエンジニア転職でも有名なレバテックやその他ではギークス・ミッドワークス、ITコンサルタント専門では当社サービスやハイパフォーマーコンサルタントがメジャーです。

またエージェント業だけではなく、Freeeや弥生会計などの個人事業主向けのクラウド会計ソフト、GMOのファクタリングサービス(FREENANCE)など、大手も中心にさまざまなサービス形態で参入しています。


このフリーランスサービス関連企業は近年急速に参入・成長・拡大しており、フリーランス業界が活性化しているという点で裏打ちしています。


2.フリーランスのシンプルなメリット


フリーランスのメリット
フリーランスとして働くことで大きな2つのメリットがあります。


2.1 経験値を積む機会は無限大

フリーランスは、これまで経験してきたことをベースに企業から案件を受領することが基本です。しかし、一方でそのスキルをベースに、さまざまな顧客・案件に自分の裁量で挑むことができるため、正社員とは得る経験値が異なります。
例えば、正社員であれば、1企業内の環境や文化での働き方をベースにさまざまな経験を積むことですが、フリーランスの場合、案件(=企業)が一定のスパンで変わるため、ガラッと案件に応じて環境・文化も変化します。その変化に対して適応するというフリーランスだけの経験を積むことが可能です。
しっかりと適応力とスキルが身につけば、正社員に戻りたい場合も、企業からのニーズは高いでしょう。


2.2 高収入の可能性

専門性の高いスキルを持つフリーランスは、企業から高い報酬を得ることが可能です。例えば、プログラミングやデザイン、マーケティングの分野は、大企業を中心に需要が高いため、高額な案件が多く存在します。また、フリーランスは自分の報酬を交渉する機会が多く、仕事の質やスキルに応じて適正な報酬を得ることができます。エージェントとしての感覚としては、正社員時代の2-3倍の収入になることが想定されます。
また、正社員と異なり、フリーランスは可処分所得が多くなるケースが多く、会計や税に関する基本的な知識さえ理解すれば、生活水準はグッと高まります。
特に税に関する知識に関しては、ネットでももちろん良いですが、間違った情報も散見されるため、専任の税理士をつけることができれば安心かと思います。


3.フリーランスの課題


フリーランスの課題
3.1 収入の波を乗りこなせ!

フリーランスは、案件ごとに収入が変動するため、安定した収入を得ることが難しい場合があります。そのため、長期的な契約や複数のクライアントを持つことが重要です。また、収入が不安定であることから、財務管理や貯蓄の重要性が増します。特に、フリーランスとしてのキャリアを始めたばかりの頃は、安定した収入を得るまでに時間がかかることが多いため、初期の段階での計画と準備が必要です。そのために、フリーランス業界に詳しい専任エージェントにヒアリングするだけでも自身の市場価値や将来性を知ることができるでしょう。


3.2 自己管理の達人になるために

フリーランスは、企業に所属している労働者と比べて、社会的保障が少ないです。健康保険や年金、労災保険など、自分で管理しなければいけません。また、病気や事故による休業時の収入補償がないため、健康管理やリスクヘッジのための保険加入が重要です。さらに、老後の資金計画や退職後の生活設計も自分で行う必要があります。
その点で、すべて自分でやらなければいけませんが、むしろそういった生活設計が好きな方には良い環境かもしれません。


3.3 関係を築く技術を磨け

フリーランスにとって、最も難しいことが信頼できるクライアントとの関係を築くことです。しかし、新規のクライアントを獲得するためには、営業やマーケティングのスキルも必要です。特に、初めてのクライアントとの契約時には、信頼関係を築くためにコミュニケーションが重要です。また、クライアントとの関係が悪化した場合、収入が途絶えるリスクもあるため、長期的な関係を築くための努力が必要です。近年では、営業を必要としないフリーランスエージェントが急速にサービスを拡大しています。技術には自身があるが、営業ができないor業務に集中したいフリーランスはエージェントを利用することをお勧めします。

 

フリーランスコンサルタントエージェントおすすめ16選を徹底比較!

 


3.4 働き方が完全に自由という誤解

フリーランスの収入は、成果ベースと、支援時間ベースで報酬を得る方法の基本2つに分かれます。恐らく本記事をご覧いただいているユーザーの中には後者にあたる方が多くいらっしゃるでしょう。その場合、勤務地や時間帯はクライアント企業側が指定場所や時間を決めているケースが多く、フリーランス側に裁量はあまりありません。そのため、どこでもいつでも働けるというのは、一定割合のフリーランスには当てはまらないかもしれません。
一方でコロナ禍により、リモートワークが推奨され、その働き方はフリーランスにも影響しているため、10年前よりは働きやすい環境になっているでしょう。


4.フリーランス需要の未来予想


今後、日本におけるフリーランスの需要はさらに高まると予測されています。以下にその要因を挙げます。


4.1 働き方改革の影響

日本政府は働き方改革を推進しており、多様な働き方を支援しています。これにより、企業もフリーランスを積極的に活用するようになっています。働き方改革により、柔軟な働き方が促進され、フリーランスとしての働き方が一般的になることで、多くの人々が自分のライフスタイルに合わせた働き方を選択できます。


4.2 テクノロジーの進化

テクノロジーの進化により、リモートワークやオンラインプラットフォームの利用が一般化しています。これにより、地理的な制約がなくなり、フリーランスとして働くことが容易になっています。また、クラウドソーシングやオンラインマーケットプレイスの発展により、フリーランスは世界中のクライアントと仕事をする機会が増えています。これにより、多様なプロジェクトに参加し、自分のスキルをグローバルに生かすことができます。


4.3 国際競争力の向上

日本企業は国際競争力を高めるために、高い専門性を持つフリーランスを活用することが増えています。特にIT分野では、グローバルなプロジェクトに参加するフリーランスの需要が高まっています。これにより、日本企業は世界中のトップタレントと連携し、競争力を強化することが可能です。


4.4 高齢化社会とフリーランスの役割

日本は高齢化社会に突入しており、労働人口の減少が大きな課題となっています。これに対して、フリーランスは柔軟な働き方を提供することで、高齢者や子育て世代など、さまざまな層の人々が労働市場に参加できるようにします。これにより、労働力の不足の問題を解消し、経済の活性化に寄与することが期待されています。


5.フリーランスを継続する秘訣


フリーランスを継続し高収入を得続けるためには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。


5.1 市場価値の変化に適応する

近年需要の高いIT・デジタル領域は技術進化が止まりません。そのため、働き手の技術進化への適応力は当然求められます。例えば、数年前までは高単価がでたRPA案件は現在では企業ニーズが減り、ピークの2/3-1/2程度まで報酬が落ちています。
こういった事象は、どの領域でも当てはまる可能性があるため、自身の市場価値に常にアンテナを張り、足りない点があれば勉強期間と割り切り、市場の変化に適応する必要があります。


5.2 謙虚さはとても重要

取引先と良好な関係になったとしても、「謙虚さ」はとても大切です。具体的には、業務の品質を下げないこと、言葉遣いや態度など、本来気を付けていたことをおろそかにしないことが長期的な関係を築くためには必要です。
プライベートで仲良くなったとしても、ポロっと出てしまった一言が信頼や機嫌を損ねてしまうこともあります。
また、発注元となるエンドクライアントだけではなくパートナー企業や仲介エージェントへの横柄な態度にも気をつけましょう。


5.3 健康管理は当たり前

特に常駐型フリーランスは健康管理ができずに、契約が打ち切りになるケースがあります。顧客先の正社員とは雇用形態・契約形態が全く異なりますが、パフォーマンス視点ではフラットにみられるため、そもそも健康管理ができていないフリーランスに業務を依頼できるはずもありません。
深夜帯までの食事会による飲酒の取り過ぎなどで体調を壊すなど、正社員では許されることが、結果的にフリーランスでは許されないケースもありますので「健康管理は当たり前」だと考え、正社員時代よりも自愛しましょう。


6.まとめ


日本におけるフリーランスの需要は今後ますます高まることが予想されます。働き方改革やテクノロジーの進化により、フリーランスとしての働き方は多様化し、より柔軟な働き方が可能となっています。しかし、フリーランスとして成功するためには、専門スキルの向上や自己管理能力、ネットワークの構築が重要です。

フリーランスを目指す人にとって、日本はますます魅力的な市場となるでしょう。この機会を生かし、自分のスキルを最大限に発揮できるフィールドを見つけることが、フリーランスとしての成功への鍵です。


7.参考文献


※1 内閣府経済社会総合研究所: フリーランスの数をどう把握するか

※2 ランサーズ:『新・フリーランス実態調査 2021-2022年版』

※3 総務省統計局:労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約

執筆者:H.S

H.S

BTC Agent SCNとして、登録者向けのアドバイザリーをチームリード。現況のスキルを問わず、10年後のキャリアを見据えた人向きのHRコンサルティングに精通する。ITのみならず戦略・マーケティング・新規事業に至るまで幅広くサポート。

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