ITフリーランスに資格は必要ない!15年以上のプロエージェントが語る現場事情


ITフリーランスとしてキャリアを築こうと考えている方にとって、「資格がどれほど重要なのか」という疑問は誰しもが一度は抱えるものです。資格があれば案件獲得が容易になる、単価が上がるといった声を耳にすることも多いでしょう。
しかし、実際の現場での経験やエージェントの知見を基にした情報を整理すると、必ずしも資格が成功への必須条件ではないことは明らかです。
本記事では、15年以上にわたり数万名のITフリーランスを支援してきたプロエージェントの視点から、ITフリーランスにおける資格の重要性について詳しく解説します。
資格が実際にどの程度役立つのか、またフリーランスとして成功するために本当に必要な要素は何かを掘り下げ、これからフリーランスを目指す方や既に活動中の方にとって、より現実的なキャリア戦略を提供します。

資格取得に時間や労力を注ぐべきか、それとも実務経験を優先すべきか、迷っている方はぜひ本記事を参考にしてください。実際の現場事情を踏まえた、リアルな情報をお届けします。

読了目安:10分

 

 

フリーランス案件で資格が求められることは“ほぼない”

ITフリーランスとして仕事を始める際、よく耳にするのが「資格を持っていた方が有利だ」という意見です。しかし、現実にはフリーランス案件で資格が必須とされるケースはほとんどありません。
企業がフリーランスに求めるのは、即戦力として活躍できるスキルと実務経験です。
資格があるからといって、それが即戦力であることを証明するわけではありません。実際、多くの企業は資格よりもプロジェクト経験や具体的な実績を重視します。
さらに、IT業界では日進月歩で新しい技術が登場します。これにより、資格が有効とされる期間が短く、取得後すぐにその価値が薄れることも少なくありません。
したがって、資格取得に時間や労力をかけるよりも、実際に現場での経験を積む方が、長期的なキャリアにおいてはるかに有利です。
たとえば、プログラミングやシステム開発の分野では、特定の資格がなくても、GitHubでの実績や過去に担当したプロジェクトの内容が評価されることが多いです。
企業が求めるのは、即戦力として働けるかどうかであり、資格よりも「何ができるか」という実際のスキルが問われます。


フリーランスで資格があれば単価があがるというのは”幻想”

資格保有におけるフリーランスの単価感


資格があることでフリーランスの単価が上がると考えるのは、残念ながら一種の幻想に過ぎません。
もちろん、一部の高度な資格が高単価の案件に結びつくことはありますが、それは極めて稀なケースです。多くのクライアントは、資格よりもプロジェクトでの成功体験や具体的な成果を重視します。
BTCエージェントの総登録者4,218名(2024年8月末時点)をベースにした資格保有者の平均月額単価は122万円です。一方で資格未保有者の平均月額単価は119万円と、ほぼ差がありません。
数百時間をかけて取得したとしても、僅か数万円の差なのでとても効率が悪いことは確かです。
例えば、AWS認定資格やPMPなどの有名資格を持っている場合、それがプラスに働くことはありますが、それだけで高単価案件が保証されるわけではありません。むしろ、資格を取得した後にどのようなプロジェクトでどのように貢献したかが重要視されるのです。
資格取得に時間をかけるよりも、具体的なプロジェクトに携わり、その成果を積み上げていく方が、単価を上げるための近道となります。
※ここでいう平均単価はフリーランスの希望単価です。その為、実際の契約時における単価とは異なる場合があります。

ハイクラスなフリーランスでも資格を保有しているのは1割未満


資格を保有しているフリーランスの数

現実的には、ITフリーランスとして活動しているエンジニアやコンサルタントの中で、資格を保有しているのは1割未満です。
多くのフリーランスは、資格よりも実務経験や技術的なスキルを重視しており、資格取得に時間を割くよりも、現場での経験を積むことに注力しています。
BTCエージェントの総登録者4,218名(2024年8月末時点)をベースにした資格保有者(ITだけではなくTOEIC含む)はわずか408名とかなり少数です。
またその中でもTOEIC700点以上のみを保有しているのは254名なので、IT系資格のみに絞ると差引154名の全体比3.7%と更に少ないことがわかります。

特に、IT業界では実際のプロジェクトでの経験が非常に重要視されます。資格がなくても、豊富なプロジェクト経験やクライアントとの信頼関係があれば、案件獲得には何ら問題はありません。
むしろ、資格にこだわらず、様々なプロジェクトに積極的に参加することで、自分のスキルセットを広げていく方が、フリーランスとしてのキャリアを長期的に築くためには有効です。

一方で、資格を持っているフリーランスでも、それが直接的に案件獲得や単価向上に結びついているかというと、必ずしもそうではありません。
実際のところ、資格を取得しているだけでは不十分であり、実務での経験や成果が伴わなければ、その資格は単なる飾りに過ぎなくなってしまいます。フリーランスとして成功するためには、資格だけに頼らず、実務経験を積み重ねることが何よりも重要です。

 

フリーランスは資格よりも『実務経験』『経歴』『職務経歴書の書き方』が最も重要



ITフリーランスにとって、最も価値があるのは資格ではなく『実務経験』『経歴』『職務経歴書の書き方』の3点です。
『実務経験』はその名の通り、あなた自身の実際のスキル・能力という実を伴う指標なので当たり前に重要です。
次に『経歴』ですが、金融ローンを組む際の審査と同様に、大企業出身=信用力があるという考えはフリーランス業界にもあります。
そして最後に、上記を正しく・わかりやすく伝えるためには『職務経歴書の書き方』が重要です。
こちらにどのように伝えればいいのかわかりやすくフォーマット付きでまとめているので気になる方は下記を参考にしてみてください。

【ひな型付き】フリーランスコンサルタントの職務経歴書の書き方

 

フリーランスに資格が必要な稀なケース



5.1 未経験領域にチャレンジしたいケース


フリーランスとして新しい分野に挑戦したい場合、資格が役立つことがあります。
特に、これまでの経験がない分野での案件に応募する際、資格はその分野に関する基本的な知識を証明する手段として有効です。
たとえば、セキュリティ分野に新たに進出したい場合、セキュリティ関連の資格を取得することで、基本的な知識を持っていることを示すことができます。
しかし、この場合でも、資格を取得した後には、できるだけ早く実務経験を積むことが重要です。資格だけではクライアントの信頼を得るのは難しいため、早期に実際のプロジェクトに参加し、実績を積み重ねることで、自分のスキルを証明する必要があります。


5.2 企業側で資格保有にこだわるケース


一部の企業やプロジェクトでは、特定の資格保有が必須条件となることがあります。
特に、大手企業や公共事業に関連する案件では、資格があることで信頼性を示すことが求められる場合があります。
このような案件では、資格を持っていることがエントリーの条件となるため、資格がないと応募すらできないことがあります。
しかし、このようなケースは例外的であり、多くのフリーランス案件では資格が必須とされることはありません。
むしろ、実務経験やスキルが重視されるため、資格がないからといって案件を獲得できないわけではありません。また、資格が必須とされる案件に応募する際にも、資格だけに頼らず、過去のプロジェクト経験や具体的な成果を強調することが重要です。

 

5.3 グローバル案件のケース


英語を使うグローバル案件の場合は、TOEICの点数を問われることは多いです。
そもそも英語案件の母数は少ないため、資格取得に頑張った時間に見合うだけエントリー数を増やせるかというと厳しいですが、ないよりはある方が多少幅は広がります。
ただし、先ほどの当社のデータの通り、ベース単価が上がることはほぼないといっていいでしょう。

 

フリーランスで単価を上げるならフリーランスエージェントを活用しよう


フリーランスとして単価を上げたいと考えているなら、フリーランスエージェントの利用を強くおすすめします。
フリーランスエージェントは、案件を紹介するだけでなく、報酬の交渉やキャリアアドバイスなど、さまざまなサポートを提供してくれます。
特に、自分で案件を探すことが難しい場合や、より高単価の案件を目指したい場合には、エージェントの活用が効果的です。

また、エージェントを利用することで、自分では見つけられなかったような優良案件にアクセスできることもあります。
エージェントは、企業との強固なネットワークを持っているため、通常では公開されないような案件を紹介してもらえる可能性もあります。これにより、フリーランスとしてのキャリアアップを図ることができ、結果的に単価の向上にもつながります。

 

ハイクラスなフリーランスならBTCエージェントがおすすめ

特に、ハイクラスなフリーランス案件を探している方には、当社サービスのBTCエージェントがおすすめです。
BTCエージェントは、豊富な案件とプロフェッショナルなサポート体制で、フリーランスとしてのキャリアアップを強力にサポートします。
BTCエージェントを利用することで、通常ではアクセスできないようなハイクラスの案件に応募することができ、自分のスキルを最大限に活かすことが可能です。
さらに、案件のマッチングだけでなく、契約交渉やキャリアプランのアドバイスなど、フリーランスにとって重要なサポートもご提供するため、安心してフリーランスとしての活動を続けることができ、単価を引き上げるための効果的なサポートを受けることができます。
BTCエージェントの利用は、単なる案件紹介に留まらず、フリーランスとしての長期的なキャリア設計を支援するため、フリーランスとしての成功を目指す方には非常に有用です。
登録時、職務経歴書は不要、完全無料なので、相談ベースでもぜひ一度ご登録ください。

 

執筆者:K.S

K.S

BTC Agent Mgrとして、顧客インダストリー別の課題を特定し、PJ最大化のための法人戦略を企画から実施まで牽引。企業・人材両面の顧客ロイヤリティの向上、継続的な関係構築をベースとしたコミュニケーションを心掛けている。

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