フリーランスの単価はいくらくらい?単価の決め方や相場について解説。

 

 

フリーランスとして活動し始めて、多くの人がぶつかるのが「単価っていくらくらい?」という質問ではないでしょうか。これまで会社員としてお勤めだった人は特に自分で値付けをする機会が少ないと思いますので、どう答えてよいのかわからず面食らってしまうかもしれません。

フリーランスにとって単価設定は最初に行うべき最も重要なタスクの一つです。当然高すぎては誰も買ってはくれませんし、逆に安すぎても印象が悪く買ってもらえないというケースもあります。また安い単価で引き受けてしまうと利益が出ず、自分の首を絞めてしまうこともあるでしょう。それではフリーランスの単価はどのように決めるのが適切なのでしょうか。

 

 

目次

 

 

フリーランスの単価はどうやって決めるか?

フリーランスの単価は個人で自由に設定でき、こうでなくてはならないというものはありませんが、一つの方法として以下の手順を紹介しますので参考にしてみてください。

 

(1)自分の稼ぎたい手取りを決める

フリーランスは単価だけでなく、働く時間も場所も自由に選べることが多いのが特徴です。そのため自分でどのような働き方をしたいのか、どのくらい稼ぎたいのかも自ら決めていく必要があります。そこでまずは自分が得たい収入を決めて、そこから逆算していくことが単価設定の第一歩です。 生活費や遊興費、貯金、投資など様々な観点から想定してみてください。

 

(2)必要経費を計算する

事業をする上で経費は必要不可欠です。しかし業種や働き方によって必要な金額は大きく異なります。事務所を借りるのか。通信費は何が必要か。移動に掛かる交通費はいくらくらいか。など自分の業務に合わせて必要な経費を計算します。 この時できる限り細かくシミュレーションを行うことが重要です。いざ事業を始めてみると、思ったよりも経費が掛かるというのはよくある話です。現時点で想定できるものを網羅的に、余裕をもって計算しましょう。

 

(3)税金を踏まえて必要な売上を計算する

これであなたが必要な金額は概ね計算できたことになります。しかしまだ油断はできません。駆け出しの時に忘れがちな税金を考慮していないからです。フリーランスが払わなくてはいけない税金は、主に社会保険料、住民税、個人事業税、所得税などが挙げられ、これらを考慮して単価を設定する必要があります。 一般的にフリーランスの手取りは売上の60~70%程度と言われているので、稼ぎたい金額に必要経費を足して0.7で割ると概算が可能です。この数値はあくまで概算なので、目安として活用してください。

[計算式] (稼ぎたい手取り + 必要経費) ÷ 0.6~0.7 = 必要な売上額(※概算)

 

(4)必要な売上を稼働時間で割って単価を計算する

概算された必要な売上額を、自分が稼働できる時間数で割ります。当然ながらフリーランスは働く時間も自由に設定可能ですので、任意の時間を設定して問題ありません。ただ参考として一般的な会社員の場合、月間の稼働時間は約160時間程度(1日8時間勤務、残業なしの場合)と言われていますので、指標がないという人は目安にしてみても良いかもしれません。 これで時間当たりの単価が計算されたことになります。この単価を基準として、各クライアントに提出する見積り を調整してみましょう。

[計算式] 必要な売上額 ÷ 稼働時間 = 基準時間単価

 

 

その単価は本当に適正なのか?

ここまでフリーランスの基本的な単価決定方法をご紹介しました。しかしその金額は果たして適正なのかというのは不安が残るところです。そこで次に重要なのが市場価格の調査です。 前述のとおり、単価が高すぎればコンペでは勝ちづらいですし、低すぎれば「安かろう悪かろう」という印象を持たれかねません。市場価格を把握することで適正な価格設定ができ、クライアントの納得感も得やすくなるので、意識してみてください。

 

市場価格を把握するには

市場価格を把握するには、まず自分自身の経験から、概ねの単価を想定していきます。元々の勤め先で出していた見積りや、発注した経験を振り返ってみるのも良いでしょう。そこからインターネットなどを活用して、競合の価格を調査します。 近年ではフリーランスと案件をマッチングさせるサービスも数多く出ていますので、クライアント側が提示している料金の相場や、競合の時間単価などを調べることも有効です。 また先輩フリーランスに相談してみたり、クライアントになり得る方に率直に聞いてみるというのも大切です。自分が知らなかった不文律や暗黙の了解が存在する可能性もありますので、ぜひ積極的に確認してみてください。

 

市場価格を調査しても明確な答えが出なかった時は?

サービスの単価はビジネスにおいて非常に重要な事項であるため、時には調べてもわからないというケースも考えられます。その際に目安となるのが、「そのタスクを社内で行ったならば、いくらかかるのか」です。 あなたが請け負う仕事をクライアント先の社員がやるとしたならば、「年収いくらくらいの(スキルを持った)」社員が「何時間くらいかけて」業務を実行するのかを想定します。そうすることで概ねの単価が想定できます。その上で人材確保の難易度や、クライアントの予算感などを想定しながら価格調整をすると良いでしょう。

 

 

フリーランスが単価を上げるための方法

ここからは自分自身の単価を上げるための方法について解説します。フリーランスは所属先がありませんので、単価を上げるためには自ら様々な働きかけをする必要があります。待っていても単価が自動的に上がるという事はめったにありませんので、安売りをしないためにもぜひ意識的に取り組んでください。

 

スキルをあげる、実績を積み重ねる

自分のできることを増やしていくことで単価アップに加えて、同一クライアントへのアップセルが見込まれます。フリーランスは営業活動も自分で行う必要があるので、既存顧客へのアップセルは新規顧客獲得に比べて効率性が高いと言えますし、既に信頼関係が出来上がっているため受注率も高いと考えられます。

 

柔軟性を持つ

クライアントがフリーランスに業務を委託する意図の一つとして、法人よりも柔軟に対応してくれるという点が挙げられます。そのため通り一辺倒な対応ではなく、短納期だったり、急な案件にも対応できるなど、柔軟な対応をすることで信頼向上につながり、ひいては単価のアップにつながるでしょう。

 

信頼関係を構築する

当たり前のことに思われるかもしれませんが、意外とできていないことが多いようです。特に報連相は重要で、社内にいない分だけ綿密に行う必要があります。小さな事かもしれませんが信頼関係を築くために、相手目線でコミュニケーションをしっかりと採ることを意識してください。

 

単価交渉を行う

前項でも触れましたが、原則としてフリーランスの単価が勝手に上がるという事はありませんし、クライアントから単価アップの依頼をされることも稀だと思います。そこで自分自身のこれまでの実績や、周辺環境を鑑みながら、定期的に単価を見直す意識を持ちましょう。いたずらに安い単価で依頼を受け続けると、疲弊してしまい、最悪の場合には体調を崩してしまします。フリーランスは体が資本であることを念頭に置き、勇気をもって単価交渉をするようにしてください。

 

 

まとめ

単価設定はフリーランスが最初に行うべき非常に重要なタスクです。しかし単価が明確になっていないフリーランスの方が多いのも実情で、特に駆け出しの時などは見積りを作れず困ってしまうことも多々あるでしょう。まずはしっかりと基準単価を決めて、適正な価格設定を心がけてください。そしてフリーランスは自分自身が営業担当でもあります。きちんと将来を見据えたロードマップを描き、戦略的かつ積極的に単価アップを目指してましょう。

 

 

 

初めてのフリーランス一覧へ戻る
10秒で完了