Big4を退職し独立するコンサルタントの実態調査
近年、Big4を退職してフリーランスとして独立するコンサルタントが増加しています。彼らはなぜ安定した大企業を離れ、独立の道を選ぶのでしょうか。
この記事では、Big4出身のコンサルタントの市場価値や独立後の実態、その背景にある理由やリスクについてフリーランスコンサルタント業界のプロとして、詳しく解説します。
現在、Big4に在籍していて、今後独立を検討されている方は是非ご覧ください。
読了目安:15分
Big4の現在の社員数
Big4とは、世界的に有名な4つの大手コンサルティングファームを指します。
具体的には、PwC、Deloitte、EY、KPMGの4社です。これらの企業は、監査やコンサルティング業務を中心にグローバルに展開し、世界中で数万人のプロフェッショナルを抱えています。
日本においても、Big4は非常に影響力のある存在で、特にコンサルティング分野で多くのプロジェクトを担当しています。
最新のデータによると、これら4社の日本におけるコンサルタントやその他のスタッフの数は大幅に増加傾向にあります。
2024年時点で、各社は数千人規模に拡大しており、合計1万名以上です。
- デロイトトーマツコンサルティング 5,042名
- PwC Japan 3,517名
- EY Japan 1,167名
- KPMG コンサルティング 2,067名
出所:日本年金機構 厚生年金保険・健康保険適用事業所検索システム(2024年9月時点)https://www.nenkin.go.jp/index.html
Big4のコンサルタントの市場価値
Big4に所属するコンサルタントの市場価値は非常に高いと言われています。
理由は、彼らが大規模かつ複雑なプロジェクトに携わる機会が多く、高度なスキルや専門知識を磨く環境が整っているという点と、汎用的な課題解決力の高さがあるからです。
例えば、戦略的な意思決定をサポートするためのデータ分析や業務プロセスの改善、IT導入支援など、多岐にわたるプロジェクトに関与することで、クライアント企業に大きなインパクトを与えることができます。
そのため、Big4出身のコンサルタントは転職市場でも非常に人気があり、特にフリーランスとしてのキャリアを考える際には、その知名度と経験が大きなアドバンテージとなります。
Big4からフリーランスコンサルタントへ転向する多くの理由
近年、Big4のコンサルタントがフリーランスとして独立する方が増えています。
会社を辞めてフリーランスの道を選ぶ多くの理由4点です。
起業、事業主になりたい
多くのコンサルタントは、独自のビジネスアイデアやプロジェクトを持っています。
Big4ではアドバイザリーの枠組みに制約されることが多く、あくまで最終的な意思決定はクライアントが握っています。その為、自らがオーナーシップを持つことができる起業や事業主として独立したいと考えるコンサルタントが増えています。自身のスキルセットやクライアントとのネットワークを活かし、
より自由な形で自分のビジョンを実現できる環境を求める方が多くいます。
社内業務からの解放
Big4は大企業であるため、コンサルティング業務以外にも、社内人員育成や社外向けのセミナーなど、担当プロジェクト以外の時間を取られることが少なくありません。
これに不満を抱えるコンサルタントも多く、より専門的なコンサルティング業務に集中できる環境を求めてフリーランスになるケースがあります。
案件を選びたい
フリーランスとして独立すると、コンサルタントは自分で案件を選ぶことができます。
Big4に所属している場合、必ずしも自分の得意分野や興味のあるプロジェクトに関わることができないことが多いため、フリーランスとして自分が関心を持つ分野や業界で活躍できる自由が大きな魅力となります。
金融資産を買いたい
株式投資に関しては、制限がかかります。これは、監査法人が監査対象企業の内部情報を扱うため、利益相反を防ぐ目的で導入されている規制です。
たとえば、監査先企業の株式やその株式を含む投資信託を購入する際には、事前に申告し、審査を受ける必要があります。また、保有している株式の売買にも制約があるため、タイミングを逃してしまうこともあるでしょう。
こうした規制は、インサイダー取引の防止と監査法人の信頼性を確保するために重要な措置です。しかし、個人の投資活動の自由が制限される側面もあり、特に近年は投資・金融資産に積極的な方が多いため、これが大きな負担になることも少なくありません。
Big4からフリーランスへ転向するリスク
フリーランスとして独立することには多くの魅力がある一方で、もちろんリスクも伴います。
例えば、収入が不安定になる可能性が挙げられます。Big4に所属していれば安定した給与と福利厚生を享受できますが、フリーランスになると案件の受注状況に依存するため、収入が波打つことがあります。
また、企業に属している間は、クライアントとのトラブルが発生した場合にも法的なサポートが得られますが、独立後はそのようなサポートがなくなり、リスクを自分で背負う必要があります。
さらに、フリーランスになることでチームや組織とのつながりが薄くなり、孤独を感じることも少なくありません。
Big4では多くの優秀な同僚やメンターが存在し、知識や経験を共有することができますが、独立するとそのような機会が減ることがリスクとして挙げられます。
フリーランスコンサルタント業界のBig4出身者の割合
フリーランスコンサルタント業界では、Big4出身の登録者は少なく、当社の約4,700名の登録者のうち、わずか3.7%にとどまっています。
Big4出身者は企業からのニーズが高いため、逆に言えば非常に希少な存在と言えます。
この点からも、需要と供給のバランスが取れていないため、好条件で案件に参画できる可能性が高いでしょう。
フリーランス市場におけるBig4出身者の需要
フリーランスコンサルタント市場において、Big4出身者の需要は非常に高いです。
その理由として、Big4での経験は広範囲であり、多くの分野に精通しているため、クライアントにとっては非常に魅力的な存在となるからです。特に、Big4出身のコンサルタントは業界のトレンドやベストプラクティスを把握しているため、プロジェクトの成功率が高く、信頼性も高いとされています。
また、フリーランスとしての独立経験が豊富なBig4出身者は、より高い単価で案件を受注できることが多く、キャリアの幅を広げることができます。そのため、フリーランス市場におけるBig4出身者の需要は今後も高いままでしょう。